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東洋人の私を子供たちがめずらしがり、いろいろと話しかけて来る。
そこで、トムだとかクリスだとかの彼らの名前を、漢字で書いてあげたりすると、とても喜ばれる。
父親は、子供に社内のあちこちを見せてやり、その後、パーティ会場に連れていく。
会場では、たくさんのお菓子やおもちゃが用意されており、サンタのおじさん(社員の誰かが扮装しているのだが)も待機している。
このようにシティは、クリスマスにはふだんのきびしい商売を忘れて、家族と職場の接点を作るように演出する。
心憎い配慮ではある。
良い仕事をするには、家族の協力が不可欠であることを、経営陣がよく知っているからであり、また、イギリス人が、子供たちと社会とのつながりを、折あるごとに作ろうとする姿勢のあらわれでもあろう。
また、こうした機会は、社員と同僚の家族、そして、家族同士の交流の場でもある。
日本と違って、社宅に固まって住んでいるわけではないので、同僚の家族と会う機会など滅多にないが、会社が主催するクリスマスパーティで、紹介し合い、仲良くなることもある。
冷たく、個人主義で固まっているような金融街のシティにも、意外と家族的なところがあるのだ。
パーティは昼前に始まり、二時間くらいで終わる。
社員たちは子供を連れてそのまま帰る。
シティの朝は早い。
大体、午前七時までに、金融市場に関与する者の顔は揃っている。
七時前なのに、電車や地下鉄やバスはどれも満員でシティに到着する。
朝早くから働く金融マンの多くは朝食を家で食べて来ない。
その暇がないのである。
会社の近くにはサンドイッチやコーヒーを売る店が軒を連ねており、彼らはそこで適当に腹を満たすものを買い、その紙袋をさげてオフィスに入るのである。
これらの店は早朝から営業している。
大きな金融機関は自前のカフェテリアを持っていて、朝から繁盛している。
ここには、大きなトースターとコーヒーメーカーが設置されており、パンの焼けるいい匂いとコーヒーの香りが充満している。
金融マンは自分の机に着くとまずコンピューターのモニターを開き、ニューョークやアジアの金融市場の動きをチェックする。
さらに主なニュースを通信社の画面から拾う。
フィナンシャルタイムスの紙面に目を走らせながら、急いで空腹を満たす。
ぐずぐずしていると、朝の会議が始まる。
クリスマスの季節は、何かしら、このような心浮き立つ行事で時間が経ち、まともに営業ができない。
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